有名人の場合、正しい出生データを公表していないこともあります。
出生時間が変わるとハウスも変わり、それに連れて解釈も変わってくるので、あくまでも「この出生時刻だと仮定して」という前提でお読みください。
翻訳者(=星を読む人)によって解釈や表現がそれぞれに異なってくる世界です。
現時点での「私」というフィルターを通しての星の翻訳表現なので、気軽に楽しんでいただければ幸いです。

1982年5月8日にベルギーGPのレース事故で亡くなったジル・ヴィルヌーヴのホロスコープを読んでみた。

これは事故前日の夜の満月図とジル・ヴィルヌーヴの出生図を重ねたもの。
動きの速い「月」以外は、翌日事故の時と殆ど位置は変わらない。

「全ての物事は出生図に現われる」と言われている。
出生図で火星♂と天王星のゆるいスクエア(90度)を持っている。(上の青い線)
この座相は火星の攻撃的なエネルギーが暴走しやすい危うさがある。衝動的でリスクを好むところもあり、もともと事故を誘発しやすい要素を持っていた。
事故の時は、通過中の火星♂が出生の天王星とスクエアになっていた。(紫色のライン)

また心理的環境をつくる進行の月と出生の天王星もスクエアで、これは突発的なマイナスの変化が起こりやすい時期。(下の青い線)

出生の太陽&月&水星に通過中の冥王星がこれまたスクエア。(緑のライン)
冥王星は徹底的な変化を促す星で、尋常でないパワーが発揮される時期でもあるが、動きが遅いので、数年に渡り影響を受けていたし、プレッシャーも大きい。
出生の月に冥王星スクエアは、抑えた挙句の感情の爆発や自己破壊的な行動も起こしやすい。

事故の前日は「蠍座」の満月だった。(オレンジのライン)
一般的に満月時は、神経が活性化されて、ハイテンションになり易く、衝動的な行動を起こしやすい。衝動買い、暴飲暴食、事故、怪我などに要注意である。
蠍座の満月時に増幅され易いマイナス要因に次のようなものがある。
思い込みの激しさ、極端な思考・選択(All or Nothing)、無意識に人をコントロールしようとする、自己破壊的な行動、強い猜疑心・嫉妬心、人を許せない、復讐心など。(逆にこれらを手放すのに良いタイミングでもある)

この時の事故の要因の一つとして、チームメイトとの確執から来る激しい怒りが引き金となって運転に影響を及ぼしたことが大きいようなので、蠍座・満月の影響が考えられる。
蠍座は良くも悪くも持続するエネルギーがとても強いので、感情も長く深く引きずりやすい。

また彼の出生の冥王星と金星が180度で、それとこの蠍座・満月がグランドクロスを作っていたのも特徴的。(オレンジの十文字)
冥王星は蠍座のルーラー(支配星)なので、蠍座・満月が冥王星も刺激しただろう。

この時期、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の6つの星が揃って逆行中だった。
逆行期はその惑星のテーマの見直し、調整の時期。思うように物事が進まないことも多いし、火星の逆行中はイライラすることも多い。

この年のジル・ヴィルヌーブの太陽回帰図を見ると、出生の太陽に経過の冥王星がタイトにスクエア(90度)になっている。なんらかの大きな変化が予測される年だった。それが事故死という形になってしまった。
「たられば」の世界だが、もし激情に駆られず事故を回避出来ていたら、どんな変化だったろうか。

⇒ジルとディディエ:確執の果ての悲劇(外部リンク)

※参考図書「ムーン・マジック」(岡本翔子)